とても長く辛い日々を乗り越え、薄毛をなんとかしようと七転八倒した綾小路まろんさん。著書『ハゲラーの心理学 カツラーの経済学』にもあるように、家1軒建てられるほどのお金を髪をどうにかするために使ってきましたが「2001年まで」というタイムリミットを決めました。その終盤、薄毛でよかったとも思える心境に至ります。
思い込もうとすればできなくもない?
薄毛で悩む多くの人が、「薄毛でよかった」などと思うことは難しいでしょう。
しかし、苦しんだ長い年月を振り返ってみれば、薄毛だったからこその今の自分がいる訳です。
綾小路さんの場合は、マスコミで成功できたのはもちろん本人の努力以外の何ものでもありませんが、その職業に就こうと思ったきっかけや、情報の集め方など、薄毛の経験が活かされた点も多くあると言います。
「薄毛でよかった」と思うことは難しいことではありますが、思い込もうとすれば、よかったと思えることもあるかもしれませんね。
リミット間近に立て続けに大事件
綾小路さんは、髪関連に相当のお金をつぎ込んできましたが、ある時「東京都内に家が1軒建つ」くらいのお金を費やしていることに気がつき、タイムリミットを設けました。
そのタイムリミットが近づいた頃、家族が立て続けに3人も亡くなってしまったのだそうです。
病気だったため、日に日に死に近づきつつある家族を、東京から週末のたびに飛行機で往復し看病しました。
そして思ったことは
「女のハゲなんて死にたいほど辛いってよく思ったけど、病気出死ぬという苦しみに比べたら苦しみのうちに入らないよね」
ということでした。
何度も危篤状態が訪れ、その度に命のありがたみを実感するうち、綾小路さんは少しずつ変わっていったのだそうです。
髪への執着が薄れていった
それまで、何かに取り憑かれていたかのような髪への執着。
それが、家族の看病をしているうちにすーっと消えていくように、薄れていったと言います。
それだけではなく、自分が薄毛であるということを前向きに考え、これまではこじつけで思い込もうとしていた「よかった」ことも、「今の自分があるのは髪がこういう状態だったから」と受け入れられるようになったそうです。
とはいえ、長年苦労したことからそう簡単に解放される訳ではなく、あくまでも精神面だけでもポジティブに考えようという姿勢ができた、というレベル。
それでも、薄毛で悩む人にとっては大きな進歩なのです。
※ハゲラーの経済学 P227-228