薬の治療では満足できなかった、薬の効果が現れるまで待てない、そんな方々に薄毛解消法として「植毛術」があります。
1960年代に始まった手術ですが、実は日本人である奥田医師が最初に考案した「パンチグラフト法」は、現在でも最新の移植術の大元となっています。
自毛植毛の種類と方法
では、早速主な自毛植毛の方法をご説明していきましょう。
・皮弁法(フラップ法)
側頭部と後頭部の皮膚を4×25センチ程度の長方形に切り、皮膚と毛髪を大量に移植させます。この方法では、動静脈ごと移植して血液の流れを保ちますが、1990年代にはあまり行われなくなりました。なぜなら、移植する皮膚が大きく、血液や酸素の供給不足で壊死する可能性があるからです。手術のリスクも高いので、しだいに行われなくなりました。
・縮小術(スカルプリダクション)
脱毛してしまった部分の皮膚を切り取り、その周辺の皮膚を引っ張って縫い合わせます。すると、脱毛部分の面積が減り、目立たなくなる訳です。ただし、カバーできる面積が限られるため、何度もくり返し行われるため、縫合箇所の傷痕が目立ってくるなどの問題点があり、この方法も現代ではあまり行われなくなっています。
・遊離移植法
最初に移植術として考案されたパンチクラフト法、それを発展させたマイクログラフと法、毛包単位移植術など、後頭部や側頭部の毛の残っている皮膚を、抜け毛が目立つ場所に移植する方法を総称して、遊離移植法と呼びます。
初期のパンチグラフト法では、後頭部や側頭部からパンチで穴を開けるように移植片(グラフト)を円形に切り取って採取し、そのまま脱毛した部分に移植していました。しかし、この方法では仕上がりが不自然になるため、現在ではグラフトのサイズが格段に小さくなり、より自然に見えるように進化しています。
移植法も、当初からするとかなり進化したのですね!それほどに、髪の毛を諦めない人も多いということです。
毛髪のメカニズムが解明されるほどに、薄毛の科学も進化しています。楽しみですね。
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