休止期毛性脱毛症とは、毛周期(ヘアサイクル)の中で、休止期にあたる毛が多い症状のことです。
これにもいろんな種類があり、一時的なものから外的要因なものまで、原因もさまざまなのです。
今回は、その休止期毛性脱毛症の種類と症状をご紹介します。
【男性型脱毛症】
休止期毛性脱毛症の代表は男性型脱毛症です。一般に前頭部から頭頂部にかけて薄毛になり、早い人は17歳くらいから脱毛することもあります。
最近は女性にもこの脱毛症が増えています。
【分娩型脱毛症・ビル服用後脱毛症】
出産後数ヶ月でかなり毛髪が抜けるという話を聞いたことがある人は多いと思いますが、この脱毛には女性ホルモンが関係しています。
妊娠後期に女性ホルモンが増加すると、ヘアサイクルの成長期が延長され、休止期に移行せず抜け毛が止まります。
しかし分娩が終わるとホルモンが正常に戻り、延長されていた成長期の毛が一気に休止期へ変わるために脱毛します。約40%もの女性が経験しているそうです。
また、ピルもエストロゲンとプロゲステロンの複合製剤なので、飲んでいる間は妊娠中と同じような状態にあります。
ところが、服用をやめると分娩後と同じことが起きるので脱毛するのです。
しかしこれらは一時的なもので、約半年ほどで自然治癒します。
【脂漏性脱毛症】
特徴としては、脂っぽくベタつく体質の人がなりやすい脱毛です。
また、洗髪を3〜4日しないことでも頭皮の過酸化脂質などの炎症性の化学物質ができてしまい、頭皮を刺激するのでターンオーバーを早めてしまいます。
そうなると角質の脱落を促進し、大量にフケが発生、その時に脱毛します。
【甲状腺機能障害による脱毛】
甲状腺機能が低下すると、毛のツヤがなくなりパサつき、びまん的な脱毛が起こります。
また、眉毛の外側や他の体毛の現象が見られることもあります。反対に、甲状腺機能が亢進した時にも休止期毛も脱毛が見られます。
【ダイエット】
主にタンパク質の栄養失調のために起こります。
ツヤがなくなり髪にコシやハリもなくなり、細くなり、脱毛します。
【ビタミンA過剰脱毛症】
ビタミンAは不足するとサメ肌になりますが、過剰に摂ると角化を促進し、休止期毛となるためびまん性の脱毛を起こすことがあります。
【薬剤性脱毛症】
血液の凝固製剤「ヘパリン」、「ヘパリノイド」で休止期毛性脱毛を起こした報告がなされています。
【牽引性脱毛症】
三つ編み、ポニーテールなど髪をひっつめるヘアスタイルで、毛の固着力より強い力でひっぱると、当然毛は抜けてしまいます。
抜けないまでも、目がつり上がるくらいにひっつめることを続けると、毛乳頭が萎縮して栄養がいかなくなるので脱毛が起こってしまいます。
バレリーナなど、髪をひっつめているヘアスタイルを日常的にしている方に、生え際の後退がよく見られる気がするのは、そういうことなのかもしれませんね!
いかがでしたか?
休止期の脱毛だけでも、かなりいろいろありましたね!
もし自分に当てはまる症状や原因に思い当たることがあれば、皮膚科医に相談してみましょう。
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