男性型脱毛症の原因が、男性ホルモンであることはよく知られていますね。ただ、薄毛は年齢と共に進行していくもので、発症する人の比率も年齢とともに増えていくはず……なのに、本当に男性型脱毛症は増えているのでしょうか?
科学的な調査データをご紹介します。
1981年の調査における比率
実は男性型脱毛症の患者の比率については、きちんとしたデータがある訳ではありません。
しかし、1981年に札幌鉄道病院皮膚科の医師が調査したデータがありますのでご紹介します。
・10〜20代……6%
・30代……12%
・40代……32%
・50代……44%
・60代……51%
・70代……61%
となっており、60代になると約半数は男性型脱毛症であるという結果が出ています。
15歳から96歳までを平均しても、32%という比率で男性型脱毛症になっているのですね。これを多いと見るか少ないと見るか、意見の分かれるところです。
2004年の調査
最初の調査から23年後、板見智氏による大規模な調査が行われました。
対象は日本全国20〜69歳までの男性。アンケートをFAXにて回答してもらうという方法で行われました。
その結果は、
・20代……12.5%
・30代……20.5%
・40代……32.5%
・50代……39.9%
・60代……43.4%
という結果になっており、全体では29%の男性が男性型脱毛症になっていると見られます。
2つを比較してみると…
1981年と2004年の調査を比較してみましょう。
30代ではやや増加していますが、全体の比率を見ると、32%と29%となっており、あまり明確に「増えている!」と言えるようなデータではありません。むしろ、数字の上ではわずかに減っています。
つまり、科学的には明らかには増えていないといえます。
しかしながら、抜け毛や薄毛を気にしている人の率は、全体の60%もいて、若い人ほど比率が高かったのです。このことから、男性型脱毛症が、いかに精神的影響の大きいものかもわかりますね!
男性型脱毛症は、食生活の変化や情報化社会のストレスの影響で増えているのでは?という予想は、必ずしも当たってはいないようですね!
ただし精神的にも大きく影響があることは間違いないようです。
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