円形脱毛症は、軽いものは自然に治ってしまうものもありますが、重症になると大変なものです。円形脱毛症の専門外来には、親子や兄弟など血縁者で受診する人も多く、繰り返す人も多いと言います。その理由について考えてみましょう。
円形脱毛症になりやすい体質がある?
近い血縁者で円形脱毛症を発症することが多いことは、知られています。一卵性双生児にいたっては、は55%の確立で2人ともに円形脱毛症が発症すると言われているのです。
これは、円形脱毛症が体質によって発症しやすいのではないか?と推測するに十分なデータと言えるでしょう。
現在わかっていることでは、「ヒト白血球型抗原(HLA)」です。HLAにはたくさんのタイプがありますが、特定の病気との関連性があるのではないかとされています。
円形脱毛症では、「HLA-DQB1*0301」という方を持つ人が、長引きやすい円形脱毛症と関係があるのではないかと言われています。
円形脱毛症の原因はストレスだけじゃない?
円形脱毛症は、精神的なストレスが大きな原因であるとされてきました。円形脱毛症になると、本人も周囲もストレスがあると思い込み、それ以外の原因をあまり気にしないことも多いのです。
しかしながら、実際にはウイルス感染や疲労、出産、外傷など、いろんなことが円形脱毛症の原因になり得ることがわかりました。
例えば、インフルエンザなどで38.5℃以上の熱を伴うウイルス感染をした後、円形脱毛症になったり、悪化したりすることも報告されています。
ウイルス感染や外傷が原因となる理由
なぜウイルス感染や外傷が円形脱毛症の原因となるのでしょうか?
ウイルスが体内に侵入してくると、人体はウイルスと戦うために「インターフェロン」というものを大量に作り、免疫力を上げようとします。このために熱が出ますが、この免疫力の活性化が自己免疫反応まで増強し、脱毛を引き起こしてしまうのです。
また、頭にケガをしたり、一定時間頭部が圧迫された場合、そこから円形脱毛症を発症することもあります。これが外傷によるきっかけです。また、女性は出産後の発症もよく起こります。
このように、円形脱毛症の原因はストレスばかりではないことがわかります。
円形脱毛症の原因もさまざまなのですね。自然に治ることも多いとはいえ、体質によってなりやすいこともわかっていますので、血縁者に発症した人がいる場合、注意しておきましょう。
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