円形脱毛症の原因についてまだ明らかになっていないために、その治療法もさまざまで、局所的な治療だけで劇的に完治することもあれば、全身的な治療を組み合わせてもなかなかうまく行かないことがあるようです。今回は、円形脱毛症の局所的な治療についてご紹介します。
円形脱毛症の局所的治療
局所的治療とは、症状のある部分に対して行う治療のことです。局所的治療は、比較的軽症の場合に行われることが多いようです。
今のところ、残念ながら根本的治療という訳ではないのですが、現在行われている治療法についてご紹介しましょう。
①塩化カルプロニウム液(フロジン液)
医療用なので保険適用になっている外用剤です。
局所の血流増加を起こして発毛を促します。一時的に発汗などの副作用が見られることがありますが、大きな副作用は報告されていません。
劇的に効果があるという訳ではありませんが、脱毛の経過をみるために、日常診療で使用されることもあります。
②外用ステロイド剤
strongクラス以上の外用剤を局所に塗布します。
抗炎症作用として効果が期待でき、全身的な副作用も少ないようです。
③冷凍療法
「液体窒素圧抵法」ともいわれる治療法で、綿棒に含ませた液体窒素を数秒間患部に押し当てます。週に1度行うことで、発毛が促されます。
副作用として局所の痛みや色素沈着が見られることがありますが、小さな脱毛症には高い効果が見られます。
④PUVA療法
ソラレンという薬品を内服するか外用して、患部に紫外線を照射します。効果には個人差があり、簡易な方法という訳でもないため、他を試しても効果の見られなかった症例に対して使われることが多いようです。
また、紫外線を照射することの副作用により、誰にでも使える方法ではなさそうです。
⑤局所免疫療法
薬品を塗布し、患部の免疫反応を起こさせて発毛を促す方法です。つまり、かぶれを起こさせる薬品を塗ることによって発毛を起こすという治療法です。
副作用としては強い接触皮膚炎や自家感作性皮膚炎などが見られることがあります。
⑥その他の治療法
温熱刺激など、何らかの刺激を与えることによる治療法が考えられて試されてはいますが、どの方法も効果が一定せず、決定的な治療法はまだ得られていません。
患部に直接外用薬などで治療をするのは、比較的症状が軽い場合が多いようですね。いろんな治療法がありますので、諦めずに専門家と治療に取り組みましょう。
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