長らく、円形脱毛症の原因は「ストレス」だと思われてきましたが、最近の研究では必ずしもそうではないことがわかってきました。
円形脱毛症になると、周囲から「ストレスがあるのね」と気を使われ、患者自身もストレスがあると思い込んでいました。しかし、実際はいろんなきっかけで起こるものだったのです。
円形脱毛症のきっかけ
ウイルス感染、疲労、出産、外傷などが円形脱毛症の原因であるとわかってきました。
2012年に浜松医科大学皮膚科が報告したところによると、インフルエンザなどで38.5℃以上の発熱をするウイルス感染症にかかった後、円形脱毛症が発症したり悪化したりする例があるということです。
ウイルス感染が脱毛のきっかけになる理由
ウイルスが入ってくると、人体はこれと闘うために「インターフェロン」というサイトカインを大量に作ります。
サイトカインとは、細胞から分泌された、細胞間の情報伝達に関わるたんぱく質です。免疫力を活性化させるために、身体の中でこの反応が起こると、発熱します。
免疫力が活性化すると、自己免疫反応まで増強してしまい、脱毛のきっかけになってしまいます。
その他の脱毛症のきっかけ
頭をぶつけた、全身麻酔の手術などで一定時間頭部が圧迫された、など、外傷による部分から円形脱毛症が起こることがあります。
また、女性の出産も、身体に対する大きな影響を与える環境を乗り越えた後、ということで発症するケースも珍しくありません。
いずれにしても、円形脱毛症の原因やきっかけは、精神的ストレスだけではないということはハッキリしていますね!
円形脱毛症になりやすいのは体質?
実は、皮膚科の「脱毛症専門外来」には、親子や兄弟で円形脱毛症の治療に来る人が多いのだそうです。
一卵性双生児では、55%の確率で、両方が発症するとも言われており、どうやら円形脱毛症になりたすい体質というのがありそうです。
また、何度も円形脱毛症が起きる人も体質によるものかもしれません。遺伝子の研究が進み、その決定的な原因が発見される日も遠くないでしょう。
円形脱毛症になったからといって、ストレスを一生懸命探す必要はないんですね!
ここでご紹介した原因に心当たりがある方は、皮膚科を受診した際に、そのことをドクターに伝えてください。
「円形脱毛症は7種類も?!その実態と、治療について〜PART1〜」はこちら
※参考文献 薄毛の科学
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