初の「飲む発毛薬」フィナステリドとは?

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日本で2005年に登場した商品名「プロスカー」というフィナステリド。

初めて“飲む”発毛薬として全世界から注目を浴びましたが、一体どんな薬なのでしょうか?驚きの臨床実験の結果とともに、ご紹介します。

フィナステリドってどんな薬?

フィナステリドとは、毛乳頭細胞の中で脱毛を促すように作用する酵素を阻害する薬です。

つまり、脱毛の原因となる酵素をジャマして、脱毛を起こさせないという理屈ですね。

当初、フィナステリドは、前立腺肥大の薬として臨床試験が行われていましたが、その家庭で男性型脱毛症の人に育毛効果が表れたのです。

そこで、アメリカは1997年に男性型脱毛症の治療薬として認可し、初の飲む発毛薬ということになりました。

各国の臨床結果は?

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日本での臨床試験は以下のようにグループ分けして行われました。

グループ①フィナステリド0.2㎎錠を1日1回、1年間
グループ②フィナステリド1㎎錠を1日1回、1年間
グループ③偽薬を1日1回、1年間

①では54%、②では58%の人に改善がみられ、1年後も変化が見られない人は40%、抜け毛が進行した人は2%という結果でした。

偽薬を1年間飲んだ③では、変わらなかった人72%、22%が進行、6%が改善されたという結果になっています。

明らかに、フィナステリドの効果が見られたようです。
そして、同じ条件で行われたヨーロッパの実験でも同じように48%の人が「増加」したのです。

さらにアメリカの実験でも、脱毛を促進する酵素が減少したという結果が出ました。
これによって、人種によってフィナステリドの効果にさほど違いはなく、効果が表れる期間も6ヶ月〜1年と、ほぼ共通していることがわかります。

日本人に見つかった特徴的な効果とは?

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実は、日本での臨床結果にひとつだけ他国と違う大きな特徴がありました。

それは、フィナステリドの量によって、育毛の差異がほとんどないということです。

つまり、0.2㎎錠でも1㎎錠でも効果が変わらなかったということです。

また、服用を開始して1年後より2年後、3年後の方が髪の毛が増加する現象があり、海外のデータでは1㎎錠を5年間投与すると90%の患者さんに抜け毛が減ったなどの改善効果が認められたのです。

もはや脱毛は薬を「飲んで」治す時代になってきました。

これにはもちろん医師の処方が必要ですので、気になる方は皮膚科か脱毛症外来のある病院で、専門医に相談してみましょう。

※参考文献「毛髪科学最前線」

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