毛はどのように作り出されているの?
一言で「毛」といっても、様々な組織からつくり出されています。
毛には表面に出ている部分と根本に埋まっている部分がありますね。この埋まっている部分を毛包(もうほう)といいます。一般的には毛根(もうこん)と呼ばれておりますが、毛根はその名の通り、毛のもととなる細胞群を指します。
では、毛包と毛根の違いは何???
毛根というのは、毛母細胞(毛のもとになるもの)や周囲の毛根鞘(もうこんしょう)のことを言い、毛根鞘を含めた、毛を作る組織全体のことを毛包と表現します。
この毛包、とても複雑な構造をしているのです。書籍「毛髪を化学する」によると、例えで「皮つきのタケノコに例えることができる」と説明があります。
その著書によるとみなさんが美味しく食べている芯の部分が毛の全体。これを毛幹といいます。
そして、その毛幹を毛根鞘という皮で包みこんでいます。
毛根鞘は内側を包んでいる内毛根鞘、外側を包んでいる外毛根鞘という二つの毛根鞘で出来ています。
外毛根鞘は、一番外側に位置する基底細胞だけが増殖し、毛包基底細胞が増殖することによって作られています。
これら、毛を生み出す組織全体を毛包といいます。毛包には毛母細胞という活発に分裂する細胞があります。
毛を生み出す泉となる毛母細胞
毛母細胞が毛を作るカギとなっているのです。毛母細胞が分裂して出来るのが娘細胞というのは、以前書かせていただきましたが、この娘細胞を皮膚に向かって角化していき、毛幹と内毛根鞘とに分かれていきます。
それでは毛幹、内毛根鞘、外毛根鞘の役割についてちょっと掘り下げてみたいと思います。
【毛幹】
毛幹は、三種類の異なる組織から出来ています。
一番内側に蜂の巣のような構造をした毛髄(もうずい)と呼ばれるものがあります。その外側に繊維状タンパク質の複合体を主成分とした毛皮質、そのまた外側に平たい細胞が重なり配置された毛小皮(キューティクル)の三種です。
もっと掘り下げましょう!
毛髄は角化で出来た空洞に空気を溜め込み保温の役割をもっているようです。
毛皮質の主成分はヘアーケラチンで、繊維状タンパク質を束ねた構造をもっています。松崎貴先生が、著書「毛髪を科学する」のなかで、「毛皮質の形成過程で、ヘアーケラチンのシスティンというアミノ酸が、他のヘアーケラチンのシスティンと化学結合(ジスルフィド結合)することで、ケラチン分子同士が強く結び付き、長居繊維状の構造を作るため、毛幹にコシとしなやかさが生まれる。と述べています。
毛小皮(キューティクル)は、その構造によって、物理的刺激から毛皮質を守る役割をもっています。
ダニなどの寄生虫の進入を守ったり、水の流れる方向調整をしたりします。
参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
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