毛の構造ってどうなってるの?目に見える部分と見えない部分

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毛は皮膚や頭皮の表面から生えていて、いわゆる手で触り、目で見える部分を「毛」と思いがちです。しかし、目に見えない部分こそ、毛の大元であり大切な部分なのです。今回は、毛の構造を探ってみましょう。

実は死んだ組織!毛幹とは?

毛のうち、目に見える部分を「毛幹」、皮膚に潜っていて見えない部分の毛を「毛根」と呼びます。

目に見え、手に触れる毛は実は死んだ組織で、毛根の下部分で丸みのある「毛球」と呼ばれる部分が活発に生きているのです。毛幹部分は、成長した根本部分から皮膚の外側へと押し出されてゆきます。

皮膚の外へ出た毛幹部分は既に成長を終えた死滅細胞となり、毛細血管から栄養を貰うこともなくなります。

毛を根本から無理に引き抜くと痛いですが、毛穴から出た毛幹部分をカットしても痛みを感じないのは、既に細胞として死んでいるからなのですね。

毛根の構造

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毛根は皮膚の下にあって見えませんが、タマゴ型にふくらんだ毛球の底からは内側にくぼんでおり、毛乳頭が入り込んで毛の成長を促しています。

毛母細胞は、毛乳頭にきている毛細血管から栄養を吸収しているのです。そして細胞分裂を繰り返すことで毛幹部分をつくり出しています。

また、毛乳頭が接している色素細胞は、人種による髪の色を決定したり、白髪の原因となったりしています。

毛幹の構造

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毛幹とはわたしたちがいつも思っている「毛」の部分のこと。断面を見てみると、具の少ない海苔巻きのような状態です。海苔にあたるのは「毛小皮」、ご飯は「毛皮質」、具の部分が「毛髄質」といいます。

「毛小皮」は、硬い鱗状のものが重なりあった構造をしていて、キューティクルといえば知っている人も多いでしょう。キューティクルは台形を逆にして積み上げたようにして重なり合っているので、毛の根元から毛先に向かってはスムーズにブラシが通りますが、逆向きにブラシを使うとキューティクルがはがれたり、傷んだりする原因となります。保水性にすぐれており、毛を守っているのです。

「毛皮質」はコルテックスともいい、毛の長い軸に沿って走る繊維の集まりです。一本の毛はこの線維が10数万本集まってできており、くせ毛やパーマ理論にとても重要なものです。

「毛髄質」はメジュラといい、産毛などの細い毛には存在しません。頭髪でも毛髄質のない毛があり、働きについてもよくわかっていません。空気を多く含んでいるため保温の役割をしていると考えられています。
近年、毛髄質の中の空気が少ない毛髪ほど、髪のつやがいいと発表されました。

確かに、髪はカットしても痛くありませんが、まさか死んだ組織だったとは驚きですね!つまり、毛の構造がわかれば、どこを大切にすべきかおのずと理解できるという訳です。目に見えない部分こそ、大切にしましょう!

※「毛髪の科学と診断」

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