男性ホルモンが何らかの形で男性型脱毛に関係しているのは間違いありません。ただし、その研究には大きな壁もあり、なかなか研究が進まないのも事実です。とはいえ、少しずつわかってきたこともあります。生活習慣に取り入れるなど、自分でできることからはじめてみましょう。
大分医科大学の研究
男性ホルモンの濃さではなく、男性ホルモンを受け取った後に薄毛の秘密があることがわかりました。
では、部位によってリセプター(受容体)の違いはあるのでしょうか?大分医科大学の研究によると、前頭部の毛包と後頭部の毛包の間で、男性ホルモンリセプターの量や遺伝子プログラムの活性化の差は見られませんでした。
このことから、男性ホルモンは毛乳頭に取り込まれることで何らかの変化を引き起こしていて、直接毛母細胞にはたらいているのではないということがわかります。
つまり、毛の伸びる速さや毛周期の長さを変えているのではなく、まず毛乳頭に取り込まれることで、間接的に毛母細胞に作用しているのだと考えられます。
男性ホルモン以外の原因とは?
いくつか原因は考えられますが、もし男性ホルモンが直接関与しているとすれば、思春期から薄毛がはじまることになってしまいますね。
しかしながら一般的に薄毛は30代頃から目立ち始めるので、男性ホルモン以外の原因も関与しているはずです。脂漏性脱毛症は、男性型脱毛とはまた違うメカニズムで起こり、その原因である頭皮の皮脂をとる処置をしても毛髪の回復が見られないことからも男性ホルモンが原因でないことがわかります。
男性型脱毛のおこるワケ
では、男性型脱毛はなぜ起こるのでしょうか?これは推測の域を出ませんが、加齢によって毛包や皮脂腺が男性ホルモンに対して敏感になっていくのではないか?と考えられますね。
つまり、男性ホルモンの濃度が高まる思春期には、まだ受容体が反応せず、歳を経ることでそれらのリセプターが男性ホルモンに反応するようになるのではないかということです。
まだまだ仮定と推測の段階ではありますが、面白いことがわかってきましたね!加齢を止めることはできませんが、男性ホルモンとリセプターの関係がわかってくれば、脱毛を止めることが将来可能になるかもしれませんね!
※参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
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