ここまで男性ホルモンが男性型脱毛に大きく関与していることを述べてきました。では、単純に男性ホルモンをストップさせれば、脱毛が防げるのでは?と考えますよね。それが、そう簡単にはいかないという話をご紹介しましょう。
男性ホルモンが作用しないとどうなる?
まず、男性ホルモンの作用を止めれば脱毛は防げるか?という問いの答えは、
イエスです。
ところが、男性ホルモンは名前の通り男性特有の機能の発達や維持に深く関わっています。
実際に抗男性ホルモン剤という男性ホルモンを阻害する薬もありますが、脱毛を防ぎたいからといって、この分泌を止めたりすると、精子が作られなくなったり、男性としての機能が働かなくなり、生殖活動ができなくなってしまいます。
ではリセプター(受容体)を抑えよう
前回までに、男性ホルモンの濃度は脱毛に関係なく、それを受容して反応する部分が過敏であれば脱毛するのではないか?と書きました。
男性ホルモンをなくすと弊害が出るのなら、このリセプター(受容体)の方にフタをすればいいのではないでしょうか?ところがやはり、単純にリセプターの作用を抑えると、他の部分にもちろん影響しますので、現在は主にひげの発達や男性型脱毛に関わっているリセプターだけを阻害する薬剤の開発が進められているそうです。
女性でも男性型脱毛になる?
髪は女性の命とも表現されますが、加齢と共に女性の髪も細くやせ、薄毛になることがあります。女性に起こるこの薄毛も、実は男性型脱毛とほぼ同じメカニズムで起こっているのです。
ただし、女性の場合は男性特有の機能を損なうという問題がないので、男性ホルモンの作用を阻害する薬を使うことで防ぐことができるようです。
男性ホルモンは、脱毛には悪者かもしれませんが、人体にとっては重要な役割を果たしているのですね!女性でも男性型脱毛に似た症状になるので、悩んでいるなら専門機関に相談しましょう!
※参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
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