人間の毛は、髪の毛、まゆ毛、まつ毛、ヒゲ、ワキ毛、腕の毛、すね毛、陰毛、など毛の生える場所は様々です。
そこに毛があり、生える方向が揃っているのは当たり前、何も疑問に思いませんでした。
ですがこの毛の位置や方向はどうやって決められているのか?と聞かれると、改めて聞かれると答えは出ません。
では、毛の生える位置や方向はどうやって決められているのか?調べてみました。
禁止信号と側方抑制により毛の生える位置が決まる
全ての細胞は皮膚の細胞であり、一つの細胞が毛芽細胞に変化することがわかっています。
同時に毛芽細胞は周囲の細胞に毛芽細胞にならないよう禁止する信号(可溶性の分子)を発し、毛芽細胞から分泌され、徐々に拡散されていきます。
この禁止信号は毛芽細胞に近いほど禁止信号の濃度が高く、離れるほど禁止濃度が低くなります。
毛芽に近い細胞は、濃度の高い禁止信号を受け取るため毛芽細胞になれず、逆に毛芽から離れている細胞は、禁止信号を受け取っても濃度が低いため毛芽細胞になれます。
こうのような抑制方法を「側方抑制」といいます。
毛の生える方向は表皮の遺伝子によって決まる
では、毛の生える方向はどうでしょうか?
この謎を解くカギが「毛髪を科学する」という書籍に書かれていました。
「表皮のプレパターン(位置や分化の方向がすでに決まっていること)が決まることによって、毛芽の方向が決まり、それに応じて真皮集塊が接する位置が決められるため、一定の方向に毛芽が伸長します。
このことから真皮集塊が先導役であるが、毛芽と真皮集塊をのどちら側に先導役を設置するかは、表皮のプレパターンによって指示されているのです。」
汗や水の流れる方向を決めるため、毛は皮膚から垂直ではなく斜めに生えています。
その方向を遺伝子レベルで生える方向を指示しているんですね。
この文言からわかるように毛の生える方向は、表皮のプレパターンと言われるものによって、左右されるのです。
この表皮のプレパターンが間違ったりしたら、間違った生え方するんでしょうね。
もしかして、逆さまつ毛とかワキ毛が少ない人とかは、この表皮のプレパターンが関係しているんですかね?!
参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
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