ノーベル賞のiPS細胞は、薄毛治療にどう役立てる?【PART2】

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iPS細胞がいろんな段階の分化した細胞を作ることができるということで、しかもマウスでは毛包を作るのに必要なケラチノサイトやメラノサイトを作ることができることがわかりました。

今回はiPS細胞が毛包本体の一部になれるのか?ということを見ていきましょう。

ヒトiPS細胞は毛包本体になれる?

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毛包とは毛が生まれる皮膚付属器官ですが、ヒトiPS細胞はこの毛包本体の一部になれるのでしょうか?実は、すでにある種のタンパク質を作用させることで、毛包の本体であるケラチノサイトを作る方法は確立されているそうです。

しかも、この方法を元にして、ケラチノサイトのもとになる細胞を作ったら、通常の成人から採取したケラチノサイトより毛乳頭細胞からの信号に良く反応することもわかりました。元来ヒトにある細胞より、信号の受信能力が高いということですね!

さらに、その細胞を毛を誘導する能力を持ったマウスの真皮細胞と混ぜ、免疫不全マウスに移植しました。すると、毛包の構造ができた上に、本体にはヒトの細胞があることがわかったのです。つまり、非常に低い効率だとはいえ、ヒトiPS細胞からつくった細胞を使い、毛包の構造の一部は再現できたということですね!

アメリカのグループでは、ケラチノサイトだけでなく、バルジの毛包上皮の幹細胞をヒトiPS細胞から作ることに成功したという報告があったそうです。このように、ヒトiPS細胞から、毛包本体に関してはかなり再現性の高い研究がなされているということです。

他の細胞も作れるか?

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ヒト毛包を再生するには、ケラチノサイトだけでは足りません。毛乳頭細胞や、毛に色を付けるメラノサイトなども必要です。これらもiPS細胞から作れるでしょうか?

メラノサイトは作ることに成功しているようですが、毛乳頭細胞に関してはまだまだ研究途上にあります。毛乳頭は毛の発生の司令塔ですから、非常に大切な細胞ですが、それだけに難しいのだそうです。
いろいろな実験や研究がなされていますが、まだエビデンスの取れるところまでは行っておらず、技術の確立が待たれます。

iPS細胞を使って、安全にヒトの毛髪を発生させることができるのも、そんなに遠い未来ではないかもしれませんね!

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