よく「皮脂は毛の成長を阻害する」と言われていますが、本当でしょうか?脱毛症になるには、いろんな要因があるので、脱毛症の種類によっても影響が違ってくるようです。
頭皮のケアとして、皮脂を除去することばかり気にしていたら、間違ったケアということもあり得ます。自分がどのタイプなのか、よく把握することが先決です。
男性型脱毛症の皮脂比較
アメリカの研究によると、男性型脱毛症の人とそうでない人の頭皮皮脂量を調査したものがあります。
ところが、この2つには、皮脂量に意味のある差はないことがわかっています。また、同じ人たちの皮脂が1時間に産生される量についても、特に差が見られなかったそうです。
つまり、男性型脱毛症において、頭皮の皮脂産生量は増えていないということです。しかし、皮脂腺のサイズが大きいのは指摘されており、研究が進むのを期待したいですね。
過酸化脂質が休止期に誘導?
活性酸素によって起こる過脂化によって、過酸化脂質が増えてしまいます。マウスの実験では、この過酸化脂質が毛の休止期を早く誘導しているという結果になりました。
休止期が早くなるということは、脱毛を早めることにもなりかねないので、見過ごせない結果ですね!しかし、そのメカニズムはまだ解明されておらず、紫外線が当たることで生じるのではと推測されているに過ぎません。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)との関係
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)に伴って脱毛が起こることで、皮脂と毛の成長に関係があると想定されていますが、本当のところはどうでしょうか?
この皮膚炎は皮脂の多いところに出現することが多く、頭皮の常在菌であるマラセチアが、深く関わっています。
よく男性型脱毛症と合併して起こりますが、頭皮にフケがある人の方が男性型脱毛症が重症化しているというデータもあります。
結果として、脱毛症の種類や要因によって、頭皮や毛髪のケアは大きく違ってくるということです。
自分一人で判断できないでしょうから、皮膚科か脱毛外来を受診して、自分がどのような状態なのかを把握することがまず大切になります。
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