腸内細菌は、ダイエットの世界では「デブ菌」「ヤセ菌」という言い方もされますね。
同じものを同じ量食べても、デブ菌が多い人は太りやすく、ヤセ菌が多い人は太らないというものです。実はこれ、薄毛にも影響しているかもしれません!どういうことでしょうか?
食文化による腸内細菌の違い
細菌の研究で面白い結果が出ています。アフリカの原住民と都市生活をしているイタリア在住の健康な子どもの腸内細菌を比較した研究です。それによると、アフリカの子どもたちは、高食物繊維・低カロリー食で生活しています。彼らにはバクテロイデス門=善玉菌を増やす菌が多く見つかっています。
一方、イタリアの子どもたちは低食物繊維・高カロリーで育っており、フィルミクテス門=悪玉菌を優勢にする菌=デブ菌が優勢でした。つまり、「高食物繊維・低カロリー」な食事は、ヤセ菌を増やし、デブ菌を減らすと考えられるのです。
腸内細菌が体質や体質を変える?
2006年、ワシントン大学の実験では、太ったマウスから採取した腸内細菌を他のマウスに植えつけた場合と、通常体型のマウスから採取した腸内細菌を植えつけた場合とを比較しました。
同じ量の同じエサを与え続けたにもかかわらず、肥満マウスの腸内細菌を植えられたマウスは太りやすいことがわかったそうです。デブ菌とヤセ菌、この勢力図を変えるためには、アフリカの子どもたちのように食物繊維が多く、低カロリーな食事が良いのですね!
デブ菌が増えるとどうなる?
デブ菌=フィルミクテス門の細菌は、糖類を代謝する遺伝子をたくさん持っている菌種が多いようです。要するに、宿主が食べたものからエネルギーを強く取り立て、腸から吸収させるというのです。
ほんの少しの食べ物からでもたくさんエネルギーを作り出せる……、と考えるとなんだか効率のいいような気もしますが、消費されなかったエネルギーは脂肪細胞に蓄えられることになってしまいます。
少ししか食べていないのに太るというメカニズムは、やはりデブ菌が握っているようですね!
肥満は薄毛の原因のひとつと考えられています。
腸をデブ菌に占領されないよう、食生活から改善するのが薄毛対策の早道かもしれませんね!
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