毛髪について、いろいろと観察や研究がなされていますが、物理的にはどのような性質があるのでしょうか?
毛髪そのものの物理的な性質を知ることで、また違ったアプローチが見えてくるかもしれませんね!では、毛髪について物理的な性質を見ていきましょう。
毛髪の硬度
「私は髪の毛が硬い」「猫っ毛」などとよく言いますが、髪の毛の硬さは人によってまちまちで、かなり個人差が大きいようです。
産毛は性別による差も大きいのですが、頭髪に限っての硬度は、毛と同じ太さの銅線くらいの硬度があるそうです。
では、毛髪の硬さは何で決まるのでしょうか?それは、毛小皮(キューティクル)の紋理の間隔がせまいか広いかなのです。
キューティクルは、魚のうろこのように重なっていますが、その間隔がせまいと硬く、逆に広いと髪が柔らかく、パーマなどもかかりやすいということになります。
毛髪の固着力
固着力とは、つまり生えている毛を引っ張って抜く時に要する力のことです。
サーカスなどで髪を束ねた女性が、髪をつかまれて空中で振り回されているシーンを見たことがありますか?現実に無理はないのか、計算してみると…
頭髪10万本として、このうち85%が成長期の毛、固着力を40gと仮定すると、計算上は3,400㎏の力に耐えられるということになります。
そのくらい強い固着力がありますが、最近のデータでは固着力が弱くなっている傾向にあるといいます。
計算上は問題がなくとも、繰り返すと頭皮が破れたり、何かの拍子に一カ所だけに力がかかってしまうと大変なことになってしまうことは想像に難くありませんね。
毛髪の強度
抜けてしまった髪を、引っ張ってみたことはありますか?
引っ張って着る時に必要な力を毛の強度と言っています。
髪の強度には、同じ太さの髪でもパーマやヘアダイ、ブリーチなどの施術を行っている髪と、そうでない髪とではかなり差が出てしまいます。
つまり、化学的な施術を行っている髪は、一般的には強度が弱く、引っ張るとすぐに切れてしまうのです。切れ毛などに悩んでいるなら、一度パーマやカラー施術の内容を振り返り、髪がダメージを受けていないか検討してみましょう。
毛髪、特に髪の毛については、個人差によるものが多いですが、このような物理的な特徴が毛髪の性質につながっているのですね!まだまだ毛髪の物理的な特徴はありますので、PART2につづきます。
※参考資料「毛髪の科学と診断」
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