毛髪というのは、人の毛の総称です。表皮から発生する皮膚の一部として毛髪があり、そのため毛髪に関するトラブルは皮膚科医に診てもらいます。
では、毛髪はなんのためにあるのでしょうか?
見た目だけでなく、大切な役割がある毛髪について、ご紹介していきます。
毛は皮膚の一部
ヒトの身体には、手の平や足の裏、くちびるなどを除いたほとんどの部分に毛が生えています。
その数およそ500万本!
これが全部頭髪のような毛だったら…ヒトも動物のように毛むくじゃらということになりますね!
そこで、ヒトの毛髪を詳しく見てみると、大きく「軟毛」と「硬毛」に分けられます。頭髪や眉、ワキ、陰毛など特定の部分以外は軟毛と呼ばれる柔らかくて細く、短い毛なので、動物のように全身毛だらけではないのです。
軟毛と硬毛の違い
結論から言いますと、実は軟毛と硬毛の区別は、見かけ上の違い以外にはっきりとした境界線がありません。
しかも、この2種類はの毛はさまざまな条件や影響下で入れ替わることさえあるのです。例えば、軟毛だった毛が思春期に硬毛化します。
この逆に、硬毛だった頭髪が軟毛化することもあるのです。これが男性型脱毛の現象なのですね。
毛髪の役割
毛髪は皮膚の表面に対して斜めに生えています。わたしたち恒温動物は、いつも体温を一定に保つために、いろんな工夫をして熱を溜めておこうとしますが、毛髪が保温に欠かせないことはすぐに思いつくでしょう。
毛皮を着ると温かいのもうなずけますね。
また、雨に濡れるなどした場合、毛の生えている方向に向かって水は流れ落ちていきます。
これによって、急激な体温の低下を防ぐ役割も果たしているのです。
その他にも、太陽の紫外線を防いだり、物がぶつかった時のクッションになったり、ケガをした時の治癒を促進したり、表皮に皮脂を供給するという機能まで持っているのです。
ヒトの頭部はなぜ毛が集中している?
頭髪がなくても生命活動に影響がないように、なぜヒトの頭部には硬毛が集中して生えているのか、謎とされていました。
しかしながら、頭髪の異常によって病気が発見されることもあれば、頭皮を紫外線から守っていることもあります。
大切な脳が入っている頭部をケガから守る、もしくは軽減するためにも髪の毛は重要な役割を果たしているといえます。
男性型脱毛は病気ではありませんが、すっかり毛がなくなってしまうと、色々と不便そうですね。
全身に生えている毛髪は、普段意識していなくても、大切な役割を担っていることがわかりました。毛髪は皮膚の一部だということを知っておけば、大切にする方法もわかってきそうです。
※参考 毛髪科学最前線
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