家系的に薄毛だから、自分も薄毛になるのでしょうか?
確かに薄毛の親がいる子は、その傾向にあるように見えます。
では、遺伝だからとあきらめるべきなのでしょうか?遺伝子について検証してみましょう。
遺伝の伝わり方
「遺伝する」というと、両親から半分ずつ遺伝子情報が伝えられ、姿形に現れるように考えられていますが、果たしてそうでしょうか?
実は遺伝子が伝わることと、姿かたちや特徴が伝わることとは必ずしも一致しないのです。
ただ遺伝子を持っているだけでは何も変化は起きず、その遺伝子が転写され、たんぱく質に翻訳されてはじめて、遺伝子がはたらきはじめるのです。
遺伝子のはたらきは、周囲の環境やほかの遺伝子や条件、組合せによっても変化するので、親が薄毛だからといって必ずしも遺伝するとは限らないといえます。
でもやっぱり遺伝じゃないの?
確かに、親子で薄毛のパターンや進行が似ていることは周知の事実です。それでも遺伝のせいじゃない可能性も残されています。
それは、親子は同じ環境で過ごすことが多く、生活習慣や食べ物が似ており、薄毛になったことが遺伝子の影響か環境の影響かを分けて検証することが難しいのです。
もちろん、男性ホルモンに対する反応性や、前頭部・後頭部の頭皮パターンを決めているのは遺伝子だろうと考えられるので、これを理由に薄毛は遺伝すると言えなくもありません。
あきらめないで!薄毛は予防できる!
ほら、やっぱり遺伝じゃないのと、あきらめるのはまだ早いです。頭皮の血行を促進したり、生活習慣、食事など総合的にケアしたりすることで、遺伝子の発現を防止することは可能だからです。
実際に、薄毛化が防げたという報告もありますので、あきらめずにトライしましょう。
いずれにしても、遺伝子にはまだわからないことが多く、将来薄毛化の「スイッチ」となる遺伝子が見つかれば、画期的な治療法や予防法が開発されるかもしれませんね。
遺伝子と薄毛化には深い関係があることは間違いありませんが、遺伝子だけでは作用せず、情報が発現するには条件があるのですね。あきらめないで環境を整えましょう!
※参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
46