一般的によく知られている脱毛には「男性型脱毛」と「円形脱毛症」の2種類があります。では、どう違うのか、説明できますか?ここでは、まず2つの脱毛の簡単なメカニズムと、その違いをご紹介します。
円形脱毛症とは?
毛は「毛周期」という、成長期→退行期→休止期を繰り返して、生え替わっています。
健康な状態ならば、この毛周期が正常に運行されるのですが、成長期の毛母細胞が何らかの理由で細胞増殖を停止し、急激に成長が止まってしまって休止期に変化してしまうことで脱毛してしまうのが、円形脱毛症です。
一度にまとまって毛が抜けてしまい、一部分だけが円のように脱毛することからそう呼ばれています。
男性型脱毛とは?
では、男性型脱毛とは何でしょうか?これは、毛周期の中で、毛の太さや長さが減少していくものを差しています。
つまり、休止期を終えて次の成長期に入る際に、毛包が小さくなるのですね。
しかも通常3~7年と言われている成長期の長さが短くなり、休止期の毛が増えるということも男性型脱毛の特徴です。円形脱毛症のように「症」が付かないのは、病気とは認められていないからで、以下にその説明をしましょう。
なぜ男性型脱毛は病気じゃないのか?
男性型脱毛では、毛周期を繰り返すうちに、段々と毛の太さや長さ、成長期の期間が短くなったりするために起こるため、毛がなくなったように見えても、よく見るとほぼうぶ毛が残っています。
つまり、毛のサイズが小さくなったから、少なくなったように見えるだけ…という訳です。
ですから「脱毛」というより「薄毛化」と言った方が現実に近く、抜けてなくなってしまったのではないからなのです。
円形脱毛症のように急激に抜けることもなく、進行がゆるやかで病理的な症状も特にありません。遺伝的な影響も大きいなどの理由もあり、病気と認められていないのです。
背が高い、ひげが濃いなどの、個人的特性の1つとして捉えられているのですね。
病気とされる「円形脱毛症」と個人的特性である「男性型脱毛」の違い、そのメカニズムも進行の仕方も全然違うのですね!自分がどちらの型かはすぐにわかると思いますので、前者である場合は専門機関にご相談くださいね。
※参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著
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