「ある程度の距離をおく」毛の生え方の不思議!

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体毛も毛髪も、眉毛やまつげ、ひげだって、そう言われてみれば、一カ所から何本も生えていたりはしませんよね。ランダムながらも、ある規則性を伴って生えているように見えます。その不思議で神秘的なメカニズムをご紹介しましょう。

毛の分布を観察してみよう!

改めて、毛の生え方を見てみましょう。ランダムなようで、かといってきちんと並んでいる訳でもない分布の仕方をしています。

1本の毛は周囲の毛と「ある程度の距離」を保っていると言えます。

これはどういうことでしょうか?詳しいメカニズムはまだわかっていないのですが、秘密は皮膚にある細胞が握っているようです。

なんと!禁止信号をおくる毛芽細胞

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はじめは、すべての細胞が皮膚の細胞です。その中のまずひとつが毛芽細胞に変化し、その変化した毛芽細胞は、同時に周囲の皮膚細胞に「毛芽細胞になっちゃダメ!」という禁止信号を送っているというのです。

この信号は、小さな分子であると考えられていて、毛芽細胞を中心にまるで波紋のようにじわじわと広がっていきます。つまり、毛芽細胞の周りは信号が強く、離れるにつれてだんだん弱くなるのです。

つまり、毛芽細胞から離れるほど、禁止信号の抑制効果が弱まり、皮膚は毛芽細胞になれるという訳なのです。

毛の向きはどう決まる?

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毛が一カ所から生えない理由はわかりました。一方で、毛には生える向きがあります。毛は皮膚から斜めに生えています。そして、寒冷刺激や恐怖によって立毛筋が収縮して直立します。

敵に出会った猫の毛などは、見事に反応していますね。さて、毛の向きですが、どこの毛も同じ方向を向いて生えていると感じませんか?眉毛や体毛などをじっくり観察してみると、同じ方向に流れていますよね。

これは、汗や水の流れる方向を決めているのです。つまり、毛包にも前後の方向があり、きちんと方向性をもって配置されているということがわかります。

皮膚が毛になり、毛の質や生え方、方向まできちんと決められているというのは、驚きですね!普段何気なく接している毛も、実は色んな役割を担って、わたしたちの役に立ってくれているのです。

参考文献 毛髪を科学する 松崎 貴著

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