髪を作るのは毛母。では毛母は何から作られるの?

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髪を生み育てるのは毛母細胞というものですが、では、その毛母とは何から作られているのでしょうか?皮膚の一部が変化して髪になるシステムがわかれば、頭皮の大切さに気づくことができます。

組織を作る幹細胞

髪を作る毛母は、毛幹や内毛根鞘の細胞の供給源です。表皮のような一生を通じて再生を続ける組織には、細胞の供給源となる大元の細胞が必要です。
髪の大元である毛母にも、大元の細胞があるはずですね。

このような細胞を「幹細胞」と呼び、幹細胞が細胞分裂し、その娘細胞が分裂を繰り返すことによって分化細胞へと変化していくのだそうです。
幹細胞はすべての大元ですから、死滅したり突然変異したりしないよう、栄養条件がよく外部からの障害を受けにくい場所に存在しています。また、コピーミスを防ぐために幹細胞自体はあまり細胞分裂しないのです。

毛母細胞の幹細胞はどこにある?

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幹細胞は無限に細胞分裂できる能力を持っているのだそうです。それでは、毛母細胞のもとである幹細胞はどこにあるのでしょう?

ペンシルバニア大の実験によると、毛包のバルジ領域にあるとされ、フランスと日本の研究によればバルジよりもやや下方にあるとされています。
両者の主張は多少違いますが、いずれにしても幹細胞と思われる細胞は、毛母の近くではなく毛包の上部にあるのではないかと予測されます。

毛母細胞が生まれるプロセス

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毛包の幹細胞が分裂して生まれた過渡期の細胞は、毛包に沿って下降し、やがて毛母細胞になるのではないかと考えられています。

しかし、頭部に深い傷を負ったり、火傷をしたりして表皮に大きな損傷を受けた場合には、毛包の幹細胞は毛母細胞にならずに表皮の再生に使われるようです。

つまり、毛包にある幹細胞は、通常は毛母細胞の源であるけれども、いざという時は皮膚の表皮細胞にもなる役割もあると考えられます。

髪が元々皮膚の一部であるというのは、毛母細胞の大元である幹細胞の働きを見るとよく理解できますね。頭皮を大切にする意味は、髪の大元を大切にすることでもありますね!

※毛髪を科学する P41-46

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