毎日のシャンプーや生活の中で、髪の毛は抜けていきます。平均的に健康な人で1日に50〜80本抜けると言われていますが、どうして髪全体の量は変わらないのでしょうか?生え替わり謎に迫ります。
毛包の自己再生
病気や加齢などによって毛が抜けるのを除き、自然に抜ける毛は毛包の「自己再生」によるものです。毛包は、生涯を通じて自分自身を部分的に壊しては新しく作り続けているのだそうです。
実はヘアサイクル(毛周期)と呼んでいるのも、この毛包の自己再生を繰り返している現象のこと。人の毛髪は毎日伸びますが、これは毛包に毛を伸ばす能力があるからです。
毛包が毛を伸ばすしくみ
成長期にある毛包の根元にはボールのように膨らんだ「毛球部」という部分があります。ここには毛を作る司令塔ともいうべき「毛乳頭」があり、この塊の上に「毛母細胞」があります。この毛母細胞の増殖能力が非常に高く、毛乳頭からの信号に反応した細胞が盛んに分裂して毛が作られていきます。
細胞分裂を繰り返し、増えた分押し出されて髪が伸びるのですね!
毛の生え替わりはどうなっている?
成長期が数年続くと毛包は毛を作るメカニズムの入れ替えを行います。この時、毛包の「バルジ」と呼ばれる部分より下が細胞死します。すると、それまで分裂を繰り返して毛を作っていた毛母細胞は1度なくなります。毛母細胞がなくなると、毛包が短くなった毛乳頭は皮膚側に引き上げられ、バルジに近づくのです。
この細胞死によって毛包は「休止期」に入ります。
やがて次の成長期が始まると、休止期に失われていた毛包の下部分が再生され、新しい毛球部が新しい毛を作り出し始めます。毛ができはじめることで休止期の毛が毛包から外れ、新しい毛に押し出されるような形で抜け落ちるのです。
毛包の「自己再生」によって、髪の全体量が変わることなく毛の再生が行われているのですね。この毛包の自己再生は、次世代の薄毛治療にも活かされることになるでしょう。
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