一時期、頭皮を刺激するためのブラシが流行していました。頭皮のマッサージが発毛に効果があると信じている人はまだまだ多いと思いますが、真相はどうなのでしょうか？頭皮への刺激やマッサージの意味を考えてみましょう。
頭皮が硬いと脱毛する？
そもそも、頭皮が硬いとはどういうことでしょうか？実は頭皮に硬いも柔らかいもないそうです。厳密に言えば、男性型脱毛症が進行すると薄毛になった部分の皮膚の一部が繊維化して、硬くなることがあるそうですが、手で触って「硬い」かどうかわかるほど人の指先は敏感ではありません。
つまり、手で触った程度では、自分や人の頭皮が硬いかどうか判断はできないという訳です。
では、どうして頭皮が硬いと脱毛すると信じられているのでしょうか？
それは、血行が悪いと抜け毛が増えるとして、血行促進のために頭皮をマッサージしたりブラシで叩いたりすることを、CMなどで流した影響が大いにあるでしょう。確かに血行が悪いのは毛髪にとってよくありませんが、頭皮の硬さに科学的根拠はないようです。
摩擦で毛が濃くなる？
腕や脛といった体毛が生えている部位を、繰り返し摩擦すると、その部分の体毛が濃くなるということがあります。
ただし、頭髪でも同じことが起こるかといえば、これも科学的な実証は得られていない状況です。
育毛剤や養毛剤などの使用方法には、マッサージなどをして頭皮の血行を促すような説明がなされていますが、これも科学的に実証されたことではないのです。
実は、現在脱毛症の外用薬として使われている「ミノキシジル」も、最初は血行がよくなることで発毛効果があると考えられていたそうです。
しかしながら、ミノキシジルは毛乳頭細胞に作用して毛の成長を促す因子を放出することで、育毛効果があるということが実証されています。
ですから、あまり必死になって頭皮の刺激やマッサージを行うのは、現実的ではないということです。
もちろん、頭部にはたくさんのツボがあるので、心地よい程度の頭皮マッサージはリラックス効果があるでしょう。
頭皮には柔軟性も、刺激もあまり関係がなかったのですね。いずれにしても、頭皮環境を整えることは髪にとってとても大切ですので、ヘアケアや生活習慣を見直していきましょう。
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