男性型脱毛症の服用薬として登場したフィナステリド。
この薬が誕生したことで、男性型脱毛症の治療は飛躍的に進歩しました。アメリカで誕生して日本で認可されるまでの歴史を見ていきましょう。
フィナステリド誕生
フィナステリドは、Ⅱ型の5αリダクターゼの作用を抑制する薬ですが、元々は前立腺肥大の治療薬として1983年にアメリカで開発され、1992年にアメリカFDA(食品医薬品局)に認可されました。
この時の商品名は「プロスカー」。
前立腺肥大という病気には、男性ホルモンのテストステロンを酵素である5αリダクターゼがDHT(ジヒドロテストステロン)に変化させることが関与しています。
これは、男性型脱毛症の発症の仕方と似ていますね。
そして、前立腺肥大の治療薬として認定されるために行った臨床試験によって、フィナステリドに育毛効果があることがわかったのです。これをきっかけに、フィナステリドは育毛剤としての研究がされていくことになります。
日本でも認可されるまで
アメリカFDAがフィナステリドを男性型脱毛症の治療薬として認可するのは、そこからさらに5年を要しました。1997年、前立腺肥大症の治療薬より含有量を減らして認可されたのです。
それまで脱毛症の治療といえば、直接患部に塗る外用薬が主流だったのが、フィナステリド登場によって内服薬になりました。2007年までには世界60カ国以上で承認されたのです。
日本では2000年を過ぎてから臨床試験が行われ、2005年に厚生労働省に認可されました。
日本人男性にフィナステリドは有効?
欧米とアジアでは、男性型脱毛症のタイプや発症率が違うのに、アメリカで誕生した薬が、日本人男性に効果があるのでしょうか?
日本での臨床試験結果では、フィナステリド0.2㎎錠剤を1日1錠を1年間飲み続けたグループで54%、1㎎錠剤を同じ条件で飲み続けたグループで58%の男性型脱毛症に改善が認められたということです。
1年後でも「変化がない」人は40%、「脱毛が進行した人」は2%でした。
この結果をどう見るかはそれぞれで違うでしょうが、半数以上が改善する男性型脱毛症の薬が登場したというのは、これまでにない画期的なことだったのです。
アメリカで開発されたフィナステリドですが、脱毛症のタイプの違う日本人男性にも効果が見られるようですね!ここから脱毛症治療も画期的に進化し、今では他にも治療薬が登場しています。
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