毛を作り出す「毛包」は、複雑な組織です。
まだはっきり解明されていない部分も多く、現在も研究が進められています。
しかしながら、毛の構造を知ることで薄毛対策に何が必要なのかが見えてきますのでご紹介しましょう。
毛根鞘の役割
毛根鞘とは、毛幹を外側から覆って絞り、形をつくる「たが」のような役目を果たしています。毛幹より早く根元近くから角化がはじまり、毛幹の外周を生クリームを絞る口のような形でしっかり固めているのです。
この生クリームの絞り口が毛根鞘だとしたら、その中を絞り出されて毛幹が出てくるというイメージですね。
キューティクルと毛根鞘は歯車のように噛み合わさっていて、毛幹が伸びると毛根鞘も一緒に上にあがってきます。
上がってくる途中で毛幹から外れて毛穴から排出されるので、身体の外に出ている毛髪には毛根鞘は付いていないのです。
毛を産み育てる毛母細胞
その名の通り、毛幹や毛根鞘の供給源が毛母です。毛母細胞がやがて毛幹細胞と毛根鞘細胞に分化していきますが、どちらの細胞に分化するのも相当に緻密なメカニズムで、どのように制御されているのか、未だにわかっていないようです。
そして毛母細胞の隙間にあるのがメラニンを供給する色素細胞です。
髪は生まれた時点では白いという話をしましたが、色素細胞から毛母細胞にメラニンが取り込まれ、角化の過程でも分解されないので毛に色が残って黒い色になるのです。
皮脂腺とアポクリン腺
毛穴の断面を見るとわかりやすいのですが、毛包上部の毛穴近くには皮脂腺とアポクリン腺があります。これは皮脂や匂い物質を分泌しており、皮膚の健康を保つのに重要な役割をしています。
また、寒い時や興奮した時に毛が逆立ちますが、これは毛包の中程にある立毛筋が働いています。
毛は一方向に向いていますが、これは毛包が決まった方向に結合しているからなのです。
そして、毛包は神経に囲まれているため、感覚器官としても役に立っています。
毛の構造を見ると、毛の役割やどうしてどうなっているのかがわかりますね。後々、薄毛を解明するためにも役立ってくれますよ。
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