「55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由」の著者、藤田紘一郎氏は、自身の体験から薄毛の少ない人たちに気が付きました。
彼らに薄毛や花粉症、アトピーなどの病気さえも少ないのは何故なのか、医師としての知識と経験から見解を語っています。
路上生活者の健康
ひょんなことから、路上生活者たちと仲良くなった藤田氏は、少しずついろんな話をするようになりました。彼らは、落ちているものを拾って食べることがよくあるそうで、それにも関わらず、腹痛や下痢に苦しむことがほとんどないというのです。
そればかりか、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーに苦しむ人もほとんどいないそうです。なぜでしょうか?
1万年前の生活を再現?
人間を構成している細胞は、1万年も前から変わっていないと言います。1万年前になかったものばかりに囲まれている現代の生活では、アレルギーが過剰に起こるのは仕方ないことなのかもしれません。
路上生活者たちは、栄養状態も悪く、お世辞にも衛生的とは言いがたい生活をしていますが、それでも現代人が悩むアレルギー性の病気を発症することは少ないようです。それは、実は彼らが1万年前の生活に似た状態で暮らしているからではないかと推測されるのです。
おまけに、いつも満腹になるまで食べないことが、逆にアレルギーや薄毛さえも寄せ付けないのではないかと藤田氏は言っています。
アカゲザルの実験
アメリカのウイスコンシン大学で行われた、アカゲザルの実験では、カロリー制限が若さを保つことがわかりました。
平均寿命が26年のアカゲザルに、通常のエサを与えると、20年以上たつと薄毛になり、シワも増えたそうです。ところが、30%のカロリー制限を一日も欠かさず行ったサルは、毛もフサフサ・ツヤツヤで皮膚もピンと張りがあって若々しかったというのです。
これをそのまま人間にあてはめる訳にはいきませんが、路上生活者の例も併せて考えると、「腹八分」の食事方は、簡単にできる若々しさのヒケツと言えるかもしれません。
現代人は、清潔さのために洗いすぎたり、食べ過ぎることで逆に若さを削っていたのかもしれませんね!
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