現在、世界中で行われている植毛法は、患者本人の自毛を移植する方法です。移植=拒絶反応と思いがちですが、自分の毛なので拒絶反応もなく、定着しやすいのだそうです。
今回は田植えにも似ているといわれる「自毛植毛」の手順についてご紹介しましょう。
ドナー(苗)はどこから?
まずは、ドナーとなる自分の健康な毛を探します。男性型脱毛症の治療を目的としたものとして、この自毛植毛を紹介していますので、一般的にドナーの採取は後頭部の大後頭隆起(後頭部中央の図解骨の膨らんだ部分)から下の部分で採取します。
その理由は、医学的にはこの領域が男性ホルモンの影響を受けにくいということと、ドナーとなる毛包は、場所を移動しても元々あった場所の性質を維持するからです。
つまり、薄くなりかけた場所からドナーを採取して植えても、またその部分は薄くなる可能性が高くなるという訳ですね。
男性型脱毛症の人が、太くしっかりした毛が残っている、後頭部の中央より下から採取することがほとんどのようです。
移植先の状態
せっかくよい苗を植えても、田んぼの状態が悪ければ良い稲は育ちませんね。それと同じで、植毛も田んぼにあたる頭皮の状態が悪ければ植毛した毛が育ちません。
強い皮膚炎、火傷などの痕があって血流が悪い場合は、植毛しても通常より生えてくる毛が少なかったり、細い毛になったりするようです。自毛植毛を考えるなら、普段から頭皮のケアは怠らないようにしましょう!
しかも、糖尿病など健康に関することや、栄養状態も頭皮の状態に影響することをお忘れなく!日頃の食事や睡眠に気をつけ、生活リズムを整えましょう。
ドナー(苗)を採取する
いよいよドナーを切り取ります。方法は大きく分けて2つあり、1つ目は「ストリップ法」といい、細く帯状にドナーを切り取ります。
2つ目は「毛包単位採取法(FUE)」といい、円筒形のメスでドナーを毛包単位の大きさにくり抜く方法です。
どちらにしても、繊細で技術の必要な手術ですので、医師とよくよく相談してから決めてください。
自毛植毛には、まず太くて健康な自毛と、状態の良い頭皮が必要ということですね!では、その②でいよいよ田植えのご紹介です。
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