男性型脱毛症の治療薬として「フィナステリド」という内服薬があります。
これは元々、前立腺肥大症や前立腺ガンの治療のための薬ですが、投与された患者の中に「毛髪が濃くなる」という現象があったため、毛髪環境改善に効果的であるとわかりました。1998年に販売され、日本でも2005年に発売されました。
フィナステリドが作用するメカニズム
フィナステリドは、簡単に言うと、男性ホルモンのテストステロンを、もっと強い男性ホルモンDHTに変える働きをする酵素を阻害する作用があります。
つまり、脱毛に関与する男性ホルモンを、より強力なものにするのを邪魔して抑制するということですね。このように、男性ホルモンに関わる作用の仕方をするので、円形脱毛症など、別の原因からの脱毛には効果がありません。
どんな人に効果がある?
フィナステリドは、20歳以上の男性で、男性型脱毛症の方だけに使うのが良いでしょう。
先ほども述べましたが、男性ホルモンに関与する薬なので、他の原因による脱毛症には効果がありませんし、女性の男性型脱毛症を対象とした調査でも、フィナステリドは効果がないとされています。
20歳以上の男性で、男性型脱毛症の方には効果が期待できるので、当てはまる方は試してみる価値があるでしょう。
フィナステリドの注意点
女性でも男性型脱毛症にはなりますが、女性にフィナステリドは効果が認められませんでした。
特に注意していただきたいのは、妊娠している方やその可能性がある女性、また授乳中の方です。
妊娠中にフィナステリドを服用すると、お腹の赤ちゃんが男の子であった場合、外性器が異常をきたす可能性があるというのです。
フィナステリドは「毛生え薬」ではありません。あくまでも男性ホルモンがより強力なDHTになるのを阻害する薬です。
どんな脱毛症にも効く訳ではありませんので、使用する際はよく医師と相談してから服用しましょう。
脱毛に悩む人が、藁にもすがる気持ちで薬に手を出す気持ちはわかります。
通販などで簡単に手に入るようになりましたが、どんな薬にも副作用があることを忘れず、正しい知識を持ってくださいね。
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