有名なところでは、抗がん剤で脱毛するという、薬剤の副作用によるものがあります。薬には何らかの副作用があるものですが、どうしてそのようなことが起きてしまうのでしょう?
実は、ほぼすべての薬に脱毛症を起こさせる可能性はあるのだそう。どういうことなのか、そのワケを探ってみましょう。
成長期の脱毛
最もよく知られる抗がん剤での脱毛。これはどうして起こるのでしょうか。毛髪は成長期、退行期、休止期とサイクルをくり返しています。いつもは成長期の毛が85〜95%で、その他が退行期、休止期にあたります。普通は休止期の毛が抜け落ち、また成長期に入りますが、抗がん剤は細胞の分裂を抑制するので、成長期の毛が影響を受けてしまうのです。
つまり、成長期の毛母細胞は、骨髄の細胞と同じように細胞分裂が盛んなので、抗がん剤が作用してしまい、細胞の分裂を抑制されて毛母細胞が死んでしまうために、毛が抜けてしまうワケなのです。
抗がん剤脱毛のその後
抗がん剤による脱毛は、成分や投与量、方法等によって程度が違ってきます。また、個人差も大きいようです。普通は広範囲に脱毛しますが、薬の投与開始後1〜2週間で脱毛し、1〜2ヶ月後には脱毛が目立つようになってしまいます。
抗がん剤の副作用による脱毛を防ぐ方法は、今のところないそうです。しかし、投与は終われば、髪の毛はその後再生します。しばらくは毛幹の基部が細くなっている部分の脱毛が続きますが、髪が生えてくることには間違いありません。
髪の成長は月に1センチ程度なので、その期間はウィッグや帽子を活用したりして、また生えてくるまで待ちましょう。
休止期の脱毛
薬の中には、休止期の毛を脱毛させるものもあります。髪全体からすると、休止期にあたるのは10%程度。休止期の毛は自然に抜けてつぎの成長期に入るため、休止期の髪が抜けるのは当然なのですが、薬の影響で休止期の毛が増えたり、成長期の期間が短くなることがあります。
しかしながら、抗がん剤と同じように、薬剤による影響での脱毛は、その薬の投与をやめれば治まります。もし薬の影響で脱毛したなら、処方したドクターに相談してみましょう。決して自己判断で薬をやめたりしないでくださいね。
薬の副作用は、逆に言えば薬が効いているとも言えるのですね。
強烈に髪が抜けてしまうとわかっている抗がん剤などは、事前にウィッグや帽子を準備するといいですね!
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