2014年以降、最も注目されているのはJAK阻害薬です。
円形脱毛症のメカニズムが解明されてきた結果の治療法で、数種類ある円形脱毛症の症状によっては明らかに良い結果となって報告されています。
今後の治療への期待が高まります。
JAK阻害薬とは?
円形脱毛症の原因は、細胞内の受容体に結合しているJAKが活性化することで起こります。
難しいことは省き、ものすごくかみ砕いていうと、その活性化するJAKを邪魔すれば、円形脱毛症が起こらないという訳なのです。
JAK阻害薬には「ルキソリチニブ」と「トファシチニブ」の2種類がありますが、マウスやヒトの円形脱毛症の治療効果について、検討した結果の報告もあります。
それによると、マウスでは薬剤を投薬した方にはほぼ100%が円形脱毛症を発症しなかったというのです。
さらに、ヒトへの投与では、3ヶ月以上続く頭部の30%以上の円形脱毛症患者に対して、ルキソリチニブを1日あたり2回、40mgを内服し、3〜5ヶ月後にほぼ治ったという結果報告があります。
すでに医薬品
この「ルキソリチニブ」と「トファシチニブ」は、すでに医薬品として日本でも使用されています。
元々ルキソリチニブは骨髄線維症の、トファシチニブは関節リウマチの治療薬なのです。
これを円形脱毛症に対する治療薬として使うには、臨床実験をしていかねばなりませんが、認められれば画期的な治療薬として多くの患者さんに喜ばれることでしょう。
アメリカでも検討中
アメリカでは、「アバタセプト」という薬が円形脱毛症の治療薬として検討されています。
これは関節リウマチの薬剤として日本でも使用されており、別の角度からのアプローチで円形脱毛症を治療するという試みです。
円形脱毛症の治療も病態によってよりターゲットを絞って、方法を検討していけるようになりました。脱毛症になるのは辛いことですが、治療できるというのは希望が持てますね!
円形脱毛症の画期的な薬があり、しかもほぼ100%の効果が報告されているとは、驚きですね!
今後の動向に目が離せません!
※参考文献「薄毛の科学」
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