人種的に直毛の多い日本人にあっては、縮毛や波状毛は「異常」といえますし、あまりに若いうちの白髪も一種の異常毛になるでしょう。
先天的なものや真菌類の寄生、異物の付着なども異常毛のうちに入ります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
縮毛(球状毛)と波状毛
毛髪の形状は、毛幹の毛径指数で決まります。
この指数が100に近いほど直毛となり、65前後で波状毛、45前後でアフリカ系のように縮毛となる…と考えられていましたが、毛包の形によるものとわかってきました。
縮毛の根本的な治療は不可能ですが、縮毛矯正によってストレートにできます。
ただし、月に1度程度縮毛矯正を行う必要があり、毛幹の傷みはかなりのものになると覚悟しなければなりません。
白髪
加齢による白髪は誰にでもおこる老化現象で、仕方がありません。しかしながら、20歳以前に10%以上が白髪なら異常毛と言えるでしょう。
ちなみに、日本人の平均白髪発生年齢は35歳、頭髪の半分が白髪になる年齢は55歳前後だそうです。
白髪になる原因は、尋常性白斑、頭部白癬、円形脱毛症などの疾病によるものがあります。
また、メラニンに変わるべきチロシンが酸化して作用しないためと考えられていますが、ちゃんとした解明はされていないのが現状のようです。
その他の異常毛
◆結節性裂毛症
毛に白い点が付いているように見え、乾燥、パーマなどが原因と見られる毛が箒の先のようにささくれている状態のことです。
もちろんこの部分から簡単に切れてしまいます。まれに甲状腺機能低下症などの内因性の場合があります。
◆アタマジラミ
毛に白い点が見え、卵だけでなく成虫がいればかゆみを伴います。
取れにくく人に移るため、駆除剤の入ったシャンプーなどで完全治療できます。
◆ヘアキャスト
ポニーテイルや三つ編みなど髪を引っ張るヘアスタイルで、力が強すぎて毛根鞘の一部が切れて付いて来てしまったもの。
◆毛髪縦裂症(枝毛)
毛髪の先端が縦に裂けている状態。乾燥が主な原因ですが、元には戻りませんので、裂けてしまった毛は数センチ上でカットしてください。
生まれながらの直毛や癖毛にも、異常かそうでないかがあるのですね!
そして、枝毛や切れ毛、髪の毛の白い点もいろんな原因があることがわかりました。専門医にかからないと治らないものもありますので、注意してください。
※参考文献「毛髪科学最前線」
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